よく、髪に良いのは【弱酸性】という、うたい文句を耳にします。

髪は左図の様に≪等電点≫で一番引締まって丈夫な状態です。
したがって、リンス、トリートメントは髪の≪等電点≫
すなわち≪弱酸性≫で調剤してあります。
髪が正常な状態なら良いのですが、

上の様に荒れた状態のまま安定しているので、キューティクルはそのままで全く治っていませんし、マトリックスの補充も殆どできないからです。
そして、リンス、トリートメントの主成分である油脂は
油脂の種類 | 吸着量 | 註 |
| | (毛1gに対するmg数) |
| 流動パラフィン | 13 | 鉱物性液体でやや粘性あり |
| スクワラン | 14 | サメ肝油からとれるスクワレンを水素添加したもので、軽く粘性はない |
| セタノール | 20 | 高級アルコール、常温で固形、ロウ状融点49℃ |
| ラノリン | 18 | 羊毛脂、粘着性の半流動性 |
| 蜜ロウ | 23 | 蜜蜂の分泌物、融点62〜65℃ |
| ステアリン酸 | 19 | 牛脂又は植物油から分離・精製・結晶、融点69℃ |
| I.P.M | 26 | ミリスチン酸とイソプロピルアルコールから合成、軽い粘度のない液体 |
上図の油分を混合して溶かすと融点40〜45℃の混合油ができます。
これを乳化剤を使用してクリーム状にするわけですが、クリームが半固形であるということは水に分散された混合油の微粒子が
常温で固形だということで、単に塗擦するだけでは毛髪表面に付着しているだけで組織内への浸透は非常に弱いと考えねばなりません。
したがって、ヘアトリートメントを塗擦して温湯ですすぐだけでは毛髪表面に油の膜をつくる効果だけですからリンスと同程度の効果しか
上げられません。トリートメントクリームを流動性の液体油にした上で、さらに水蒸気の力を借りて毛髪内部に浸透させるには45℃程度の
スチーミングを数分間持続してやらねばなりません。これを家庭の「蒸しタオル」では困難です。
さらに、毛髪の構造が以下のようになっています。
その構造特性として、一番外側のエピキューティクルのみが《親油性》で、他はすべて《親水性》なのでキューティクルの荒れたダメージヘアには油脂の吸着する【 座 】がありません。
したがって、髪の【感触】【櫛通り】【艶】【弾力】【保水性】を回復させるにはしっかりと毛髪科学に基づいて
@荒れたキューティクルの形状を修正し
A失われたマトリックスを補充し
B消滅したキューティクルのかわりにコーティングし
C<持続性>のあるものにしてやることが必要です。
以上の事柄をすべて満たすことが、本来のヘアトリートメントです。
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